著者
多田 尭
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.41, pp.1-12, 1993-06-25
被引用文献数
6

測地測量の繰り返しから, 九州中部地域に於て南北方向の張力場が卓越すること, これが別府-島原地溝の南北方向への1.4 cm/年の拡大, 2.5 mm/年の沈降によることが明らかになった。九州に起きる大部分の浅い地震は別府-島原地溝で発生しており, それらの発震機構は南北張力軸の正断層型または四象限型で, 地殻変動と一致する。重力異常から推定される別府-島原地溝の地殻構造は地殻の陥没, モホ面の上昇を示している。これらのことから別府-島原地溝は大陸地殻に出来た活動的なリフトバレー, コンチネンタルリフトバレであり, 沖縄トラフの北東延長部である可能性がある, と結論される。

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