著者
国安 稔 根岸 悟 小玉 喜三郎 加藤 進
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.34, pp.187-197, 1990-03-30
被引用文献数
1

北海道南部苫小牧沖海域には並走する数条の褶曲構造が発達し, 石油・天然ガスの賦存が期待されている。この地域の地質構造形成過程を仮想基盤変位法(KODAMA et al., 1985)により実験的に再現した。本地域は褶曲構造付近を境界として地層の層厚が急変したり, 浅層と深層で褶曲形態が異なる現象が見られる。実験の結果, これらの褶曲構造は隣合う翼部で形成時期が違うこと, あるいは浅層と深層で褶曲の形成時期が異なることがわかり, 地層の堆積過程における下位層の累積変形として乏くの褶曲構造の形成を説明できると考えた。また, 褶曲の形態ならびに形成過程が東部と西部で異なっており, これは隣接したふたつの堆積盆地の異なった造盆地運動を反映した結果であると総括された。なお垂直運動と水平運動による変形像の比較は, この両者は互いにエンドメンバーであり, 実際の地質構造は両者の特徴を合わせ持ったものであると考察された。

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