著者
磯崎 行雄
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.50, pp.89-106, 1998-07-31
被引用文献数
12

日本列島を含む東アジアの顕生代造山帯は, 海洋プレートの沈み込みによって先カンブリア時代の安定大陸の周囲に新しい大陸地殻が成長した場である。日本の起源は6〜7億年前に超大陸Rodiniaから揚子地塊がリフト化して離れた時の大陸縁に求められる。この受動的大陸縁は約5億年前に活動的大陸縁に転化した。新しい海洋プレート沈み込みは大陸縁に弧-海溝系を生じ, 4億年頃にそれが成熟すると, それ以後はほぼ水平な古生代-新生代付加体のナップ群やカルクアルカリ岩系火成岩をつくった。また間欠的な中央海嶺の海溝への沈み込みは, 低温高圧型変成帯の上昇や, 高温低圧型変成帯を伴う花崗岩バソリス帯の形成をもたらした。日本の造山帯は北米西岸のコルディレラ造山帯と鏡対称の構造をもち, それらの歴史は超海洋太平洋がたどったウィルソンサイクルの前半史にあたる。その後半史は2億年後に北米とアジアが衝突して次の超大陸Amasiaができる時に完結する。

言及状況

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こんな論文どうですか? 日本列島の起源と付加型造山帯の成長 : リフト帯での誕生から都城型造山運動へ(磯崎行雄),1998 http://id.CiNii.jp/MrMyL

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