- 著者
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大石 尚史
野田 康信
権田 秀雄
谷川 吉政
高木 健三
鈴木 隆二郎
谷口 博之
近藤 康博
生田 順也
荒木 信泰
- 出版者
- 日本肺癌学会
- 雑誌
- 肺癌 (ISSN:03869628)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.6, pp.877-886, 1997-10-20
- 被引用文献数
-
4
気管支ファイバー検査を要する患者とその家族,および医療従事者(自分が患者及び家族の立場になったことを想定して)に対し,肺癌告知・治療に関するアンケートを行い,それぞれの考え方の違いを検討した.その結果より,多くの患者は家族が告知に反対していても告知を希望している.家族は7割近くが患者への告知に賛成しているが,一方では,患者の希望に沿うようにしてあげたいと考えているのは4割弱に過ぎなかった.特に患者が若年者である場合にその傾向が強かった.医療従事者は,告知には必ずしも無条件に賛成ではなく,病状などを考慮してから決定したいとしているが,最終的には患者の希望を第一に優先する傾向にあった.これらの傾向をよく理解した上で,個々の患者にあった方法で告知を行うことが望ましい.そのためにはアンケートは有用であり,また家族にも告知に対して理解を求めることができる.