著者
渥美 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.547, pp.65-70, 2002-01-09

負荷平準化用の電力貯蔵電池として開発したNAS電池の概要と用途展開を紹介した。NAS電池は、活物質として負極にナトリウムを、正極には硫黄を用い、電解質にはナトリウムイオン導電性の固体電解質、ベータアルミナを使用する。運転温度は300℃程度の高温である。NAS電池はエネルギー密度と耐久性が高い。単電池試験では、6500サイクルを超過する耐久性を示している。安全性についても各種の試験検証を行ってきた。また、NAS電池は高温の運転温度を維持する必要があるが、充放電を繰り返している場合には保温電力をあまり必要としない。応用面では、負荷平準化を基本として、非常電源や無停電電源との兼用、風力・太陽光発電の出力変動吸収など、多様な用途が考えられる。

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