著者
上山 英三 湯浅 秀男 細江 繁幸 伊東 正美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.12, pp.2767-2778, 1998-12-15
被引用文献数
7

ランダムテクスチャを背景とし, その上を背景と異なる動きベクトルをもつランダムテクスチャの領域が移動する動画を作成して再生すると, その領域が背景から浮かび上がって分離されて見える.動きを止めるとその領域は背景と見分けがつかなくなり分離が不可能になる.この現象を動きによる図地分離と呼ぶ.ここで, 移動領域の形を正方形にして, 動画の再生速度を変えて観察すると, 再生速度が十分に速い場合は正方形の領域がはっきりと分離されて見えるが, 再生速度を遅くしていくにつれて正方形の角が丸くなって認識されるようになる.一方, ある種の反応拡張方程式で形成されるパターンを真上から観察すると, そのエッジは方程式の時間発展につれて平滑化によって円形に近づいていく.これが, 上記の人間によって認識される正方形領域の変形を説明するモデルになるのではないかと考える.そこで, 反応拡張方程式を用いて, ランダムテクスチャの動画から図地分離のパターンを形成し, その界面が人間によって認識される輪郭, すなわち主観的輪郭と定性的に合致することを確認し, このモデルの有用性を主張する.

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こんな論文どうですか? 反応拡散方程式を用いた動きによる図地分離 : 形成されたパターンの界面と主観的輪郭(上山 英三ほか),1998 http://t.co/aVy7UpRNlf

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