著者
伊賀 健一 小山 二三夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

この2年間における面発光レーザの発展は目覚ましく、100μA以下のしきい値電流動作が目に見えてきた.また,応用分野でも特に並列光インターコネクト用に大規模アレーの商品化が進んでいる.図1に,現在考えられる面発光レーザのスペクトル領域を示す.1.55-1.3μmの長波長帯面発光レーザは光ネットワーク用に重要であるが,技術的に最も低しきい値化が難しい状況にある.熱伝導の良い反射鏡の使用が鍵となる.0.98μm帯のGaInAs系面発光レーザは最も高性能になっており,μAオーダーの低しきい値動作がターゲットになってきた.また,アレー化された実用デバイスが商品化され始めた.GaAs系レーザもSiフォトダイオードとの連携から応用が進んでいる.0.6μm帯の可視光レーザも1mA程度の低しきい値デバイスが研究レベルで達成され,実用化がそろそろ目前になってきた.これから興味がもたれるのが,青から紫外域にわたる極短波長の面発光レーザであろう.ZnSe系,GaN系など研究がホットになってきた.面発光レーザの適用分野で至近距離にあるのが光インターコネクトであろう.装置間の連絡,ビットの並列伝送など,光ファイバとの高効率結合と低しきい値動作を武器に新しい分野を形成しそうである.もちろん,長波長の面発光レーザの実用化は光ネットワークの様相を変える基となろう.いずれにしても面発光レーザを基礎とする並列機能デバイスは新しいオプトエレクトロニクスを切り開く原動力となるであろう.

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