著者
日比野 郁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.95, no.507, pp.7-12, 1996-02-09
被引用文献数
2

最近, インクジェット方式や電子写真方式のカラー化が進展し, 低価格応用分野ではインクジエッ卜方式, 普通紙高速記録の分野では電子写真方式の商品化が急速に進み, 溶融型熱転写記録と他方式との本格的な競合が始まっている。溶融型熱転写記録方式は単結晶シリコン基板をベースにした600dpiヘッドと薄膜フィルムインクリボンを使用することで, 普通紙でのカラー画質を飛躍的に向上させることが出来た。従来, シリアル溶融型熱転写方式は装置が簡易で普通紙印刷が出来るものの, 印刷速度, 印刷品質, ランニングコスト等に課題があった。その後, 性能改善が進み、昨年マイクロドライプロセス(MDP)という名称で発表された600dpiのシリアル溶融熱転写記録方式は、従来の不十分な点を払拭し, 更に他の印刷方式よりもオフセット印刷に限りなく近い印刷品質が実現出来る可能性を感じさせるものである。

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