- 著者
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平山 博史
沖田 善光
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
- 巻号頁・発行日
- vol.98, no.309, pp.63-70, 1998-09-29
- 参考文献数
- 2
細胞間の生化学的情報伝達過程における生体分子の標的細胞表面近傍での振る舞いを解析する理論物理的方法をO'Neil(1976)の研究に基づいて解説した.生体分子を剛体球とし、細胞表面を平面と仮定して、流速圧力の変化が大きい内部領域とそれらが小さい外部領域に分離し、生体分子が細胞表面に接触する極限状態を内部領域流れと外部領域ながれが重複するMatching条件とした。本研究では内部流れの各方向の流速成分を圧力とを球と平面との正規化距離εのべき級数展開で表わした(すなわち摂動).細胞表面および、球粒子上での流速の境界条件から漸近級数展開の各項を決定していった.またそれらよりレイノルズ方程式を求め、解析的に圧力解を求めた.この圧力解に対して漸近級数展開を適用して外部流れ場と内部流れ場との接合条件を決定した.得られた流速式から細胞表面に作用する力、モーメントと生体分子に作用するそれらを計算する解析解を得た.本研究は生体分子が細胞表面に接近した場合の物理的環境を推定するのに有益である.