著者
小倉 敏裕
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.2052-2057, 1993-12-01
被引用文献数
4

1.解像特性は, 同一インチモードにおいてもアイリス径とピクセル値がそれぞれ大きくなると低下することがわかった.このことは, I.I.への入射線量の増減により解像特性が変化することを意味する.aアイリス径を一定に保ち, 入射線量を増すとピクセル値が上昇し解像特性が低下する.bピクセル値を一定に保つためにアイリス径を広くし, 入射線量を減ずると解像特性が低下する.すなわち, 高い解像特性の画像を得るためには, アイリス径を絞り, 低いピクセル値となるような線量で撮影する.逆にあまり高い解像特性を必要としない場合, アイリス径を広くすることによって被曝低減が可能である.2.低線量撮影により, ルーチンに小焦点(0.2mm)撮影が可能である.このため, 小焦点拡大撮影の技法が応用でき, S/Fに匹敵する解像特性の有する画像が得られる.3.ノイズに関して, 線量の低減によって量子モトルが増加し, ディジタルWSは上昇した.そして, 同時に低コントラスト被写体検出能の低下も顕著であった.また, ノイズ特性は, 解像特性と密接な関係があるため, アイリス径や, ピクセル値によっても異なる.このように, I.I./TV-DRの場合, 入射線量と解像特性とノイズ特性の間には, 複雑な関係があり, これらの特性を熟知したうえで撮影目的にあったDR装置のパラメータの設定, 線量, 撮影方法を決定する必要がある.

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? 6. I.I./TV-DR における被曝線量と物理特性の関係(ディジタル X 線画像の最適化 : 被曝線量の観点から)(小倉 敏裕),1993 https://t.co/GFbUWDkI09

収集済み URL リスト