著者
金内 美妃 郡 修徳 千本木 要 坂井 英夫 井関 健
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.187-196, 2005-02-01
被引用文献数
3 6

ケタミンは, 解離性麻酔作用を有する全身性麻酔薬であり, 呼吸抑制などの副作用が少ないことから手術時に繁用されている. 一方, このケタミンは麻酔量より低用量を投与すると, 神経因性疼痛に関与しているといわれるNMDA受容体の非競合的拮抗薬として作用することから, 鎮痛効果も併せ持つ薬剤である.そのため, 非ステロイド性抗炎症薬などに抵抗する難治性疼痛を持つ患者に対し, ケタミンは保険適応外使用ではあるが, 鎮痛薬として静注や筋注以外に経口投与でも用いられている.しかし日本においてケタミンの市販薬は注射液のみであるため, 患者がケタミンによる在宅治療を行う場合, 注射液を経口投与しなければならないが, この注射液は特有の苦味や刺激感を有するため, 患者が服用を拒否する場合もある. そこで臨床現場では, 注射液に単シロップや矯味剤などを添加した液剤やケタミン試薬から調製した錠剤を院内製剤として患者に投与している.

言及状況

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こんな論文どうですか? 調製法の簡便さと服用性の向上を目指した院内製剤としての経口ケタミン製剤の調製と評価(1) : 寒天を用いた製剤の検討(金内 美妃ほか),2005 http://t.co/ic5WG9C8Hu

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