著者
吉田 展子
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.303-326, 1996-07-15
被引用文献数
1

本稿では,名前通信並行プロセス計算のコンビネータ理論を提案する.関数型コンビネータが有限の組み合わせで計算可能な高階関数を表現する新たな基盤を与えたように,この並行コンビネータも非同期名前通信を細密に分解することによって導出され,その有限個の並行合成と相互作用計算で名前通信プロセス計算と同等の計算を表現するという新たな枠組みを提供する.まず本稿では,非同期名前通信計算の7つのコンビネータとそれら2者間の相互作用則を定義し,動作意味論を等式理論を基盤に展開する.次に,それらの並行合成と名前制限のみで名前通信計算のプレフィックスが動作的に表現できることを述べ,さらにこの結果の拡張として同期名前通信,多引数名前通信,分岐構造が表現できることを示す.最終的には本稿の並行コンビネータ系と非同期名前通信プロセス計算の一対一対応が示されることにより,この理論体系が名前通信プロセス計算族における結果を引き継ぐことを示す.

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コンビネータ論理と同じような事を並行計算モデルでやるらしい / 『CiNii 論文 -  名前通信プロセス計算の並行コンビネータ』 http://t.co/pBmorAqu

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