著者
堀田 満
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.57-66, 1998
参考文献数
9
被引用文献数
2

九州南部に分布する「ヤマラッキョウ」とされていたものは,葉が中実で雌しべの基部の蜜腺に帽子状の覆い構造が発達しないことでヤマラッキョウから区別できるので,ナンゴクヤマラッキョウAllium austrokiushuenseとして新種記載した。初島住彦によってヤクシマヤマラッキョウと呼ばれていたものはイトラッキョウに所属することが確かめられたので,新しくヤクシマイトラッキョウAllium virgunculae var. yakushimenseとした。また,アマミラッキョウA. amamianumは夕マムラサキA. pseudojaponicumと同種で,しばしばヤマラッキョウと混同されてきたこのタマムラサキは形態的にも,染色体数でも異なる明確な種であることを明らかにした。

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