著者
堀田 満
出版者
鹿児島県立短期大学
雑誌
鹿児島県立短期大学紀要. 自然科学篇 (ISSN:02861208)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.19-51, 2005-12-22

In this paper, the classification, distribution and diversity of lifeforms of oil resource plants are briefly reviewed based on the Hotta file. Plant species for oil resource are around 580, including 9 species of Gymnosperms, 65 species of Monocotyledons and 508 species of Dicotyledons. The number of plants whose oil are used as a cooking/food is estimated to be 400 species (ca. 70%). Other plants (about 180 species, 30%) are used for medical purpose, soap, candle and fuel. Regional distribution of oil resource plants are mostly limited to warmer part of the glove. In temperate zone, warmer area of Eastern Asia (Camellia spp.), Western Asia and Mediterranean region (Brassica spp., Olea europaea), and Eastern North America (Helianthus annuus) are important oil plant of these regions. The three tropical regions of Southeastern Asia, Africa, and the Americas are the place of origin for important cultivated oil plants.
著者
堀田 満
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.153-162, 1967-05-31

前回はサトイモ科の雌雄同花の群とヤモノイモ科,ウツボカヅラ科及びスイレン科について,今回はサトイモ科の雌雄異花の群とヒナノシャクジョウ科について報告した.サトイモ科の Raphidophora, Scindapsus, Epipremnum の3属は胚珠の数により機械的に分類されているため,系統群としては再検討を要するが,一応慣例にしたがっておいた.また Homalomena geniculata はボルネオではサラワク西部に1カ所知られていただけのものである.ウツボカヅラ科の Nepenthes muluensis の所属する Motanae 群はスマトラ,マレ-半島の高地が分布の中心で,ボルネオ北部には知られていなかった.スイレン科の Barclaya 属も,ボルネオからは1種しか知られていなかった属である(アジア大陸に数種分布している).
著者
堀田 満
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.57-66, 1998
参考文献数
9
被引用文献数
2

九州南部に分布する「ヤマラッキョウ」とされていたものは,葉が中実で雌しべの基部の蜜腺に帽子状の覆い構造が発達しないことでヤマラッキョウから区別できるので,ナンゴクヤマラッキョウAllium austrokiushuenseとして新種記載した。初島住彦によってヤクシマヤマラッキョウと呼ばれていたものはイトラッキョウに所属することが確かめられたので,新しくヤクシマイトラッキョウAllium virgunculae var. yakushimenseとした。また,アマミラッキョウA. amamianumは夕マムラサキA. pseudojaponicumと同種で,しばしばヤマラッキョウと混同されてきたこのタマムラサキは形態的にも,染色体数でも異なる明確な種であることを明らかにした。
著者
横川 水城 堀田 満
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.165-183, 1995-01-28
被引用文献数
6

1.霧島山系におけるミヤマキリシマ, キリシマツツジ, ヤマツツジの形質変異と訪花昆虫相について調査を行った。2.諸形質の解析と生育地域の空間構造からキリシマツツジ集団はミヤマキリシマ集団やヤマツツジ集団からは, 区別する事が出来る。3.ヤマツツジ(南九州型)は標高800mまでの低地の林縁沿いに生育し, ミヤマキリシマは火山性山岳の標高1000m以上の比較的開けた斜面に生育する。一方, キリシマツツジはヤマツツジとミヤマキリシマの中間ゾーンに分布し, 形態的にはややヤマツツジに近いながらも花色に著しい変異をもつ自然雑種起源と推定される集団である。4.キリシマツツジ集団の成立にはミヤマキリシマとヤマツツジの交配親和性の高さが原因となっていると推定される。5.ヤマツツジ集団とミヤマキリシマ集団の訪花昆虫相は, 送粉者として適合的な種では, 互いに異なっており, 自然状態では両種間の生殖隔離は一応保たれている。6.一方, キリシマツツジを含む2集団間, あるいは3集団間に共通する訪花昆虫も存在し, これらによってヤマツツジ集団とミヤマキリシマ集団間の遺伝的隔離が部分的に破られ, 雑種集団のキリシマツツジが成立し, この集団を通してさらに遺伝子の浸透性交雑が進行していると推定される。