著者
仙田 満
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.116, no.1467, pp.3-7, 2001-02-20
被引用文献数
1

子どもの成育環境に関する社会的な議論はこれまで、ややもすれば教育、心理、地域社会、医療などソフトの領域の問題として論じられてきました。しかし、建築的・都市的空間に、これと深く関わる計画、整備、管理運営に関わる社会的システムを加えた広い意味でのハードの領域は、実は重要な役割を果とし、成育環境の中心的要素として位置づけられることは明らかです。良好な成育環境の形成と子どもの心身活性化に寄与する建築的・都市的空間の計画目標、整備手法などについて総合的・実践的な調査研究を行う必要性は高いといえ、日本建築学会は中心的役割を果たすことが期待されます。子どもと高齢者に向けた学会行動計画推進特別委員会は、こうした認識のもとに子どものための建築・都市環境づくりのあり方についての検討を重ね、その基本的考え方を「子どものための建築・都市12ケ条-子どもと家族のための建築・都市環境づくりガイドライン」としてとりまとめました。このガイドラインが、今後の研究と実践のための目標を提起し、各分野においてより具体的なガイドラインとしてとして展開されていきますよう願っております。

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