- 著者
-
堀田 明裕
- 出版者
- 日本デザイン学会
- 雑誌
- デザイン学研究 (ISSN:09108173)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.2, pp.57-66, 1997-07-31
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
-
2
本論は大学におけるデザイン教育の問題の分析と、今後の方向に関する提案を目的としている。戦後我が国に導入されたデザインの考え方は、経済や技術、あるいは生活スタイルなどの影響を受けて大きく変化してきた。この変化に対するデザイン教育の問題として、デザイン教育の検討体制、技術と技能、美的評価、教育におけるコンピュータ使用の位置づけ、教育と研究の関係、大学の基本的役割について分析した。これらに基づいて、今後のデザイン教育の目標を構想能力と造形能力の獲得とし、その方法として実技教育と知識教育の融合とした。また、教員の役割として、各自の教育上の特色を持つこと、教育技術の向上、教員間のデザイン評価に関する討論と学生への公開、研究作業への学生の参加を提案した。更に、今後のデザイン教育の共通基盤構築の視点から、デザインにおける美的評価の論理や教科書作成の必要性を提案した。