著者
高橋 靖
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.69-78, 2000-11-30
参考文献数
10
被引用文献数
2

本報は複数視聴者から映画のシーン評価データを定量的に採取する標準セマンティックスコア法を提案し、その評価データから視聴者グループがとらえる物語の解釈を導くことによって提案手法の有効性を示した。評価実験セットは複雑化・解決化の評価概念を動画サンプルでわかりやすく解説した教示ビデオと冊子、シーン番号入り評価ビデオ、エピソード区切りが示された5段階評価シート、および映画鑑賞用DVDの5点からなり、評価手法に起因する誤差の極小化をはかった。視聴者データの相関係数とセマンティックグラフをもとに特異ケースを除去し、セマンティックグラフおよびシーンスコアの4指標すなわちシーンのピーク度数、ハイスコア度数、平均スコア、分散値から物語の解釈を行った結果、(1)ドラマを盛り上げる物語の演出、(2)主な登場人物への感情移入の構図を浮き彫りにすることができた。これにより物語に内包される多様な意味とそれに感応する視聴者の評価構造が明らかとなり、提案手法が映画のグループ評価・解釈に有効であることが示された。

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RT @ronbuntter こんな論文どうですか? 映画の定量的評価・解釈のための標準セマンティックスコア法 : ヒューマン・コンテンツ・インタフェースデザインに向けて(5)(高橋 靖),2000 http://id.CiNii.jp/QDGRL
こんな論文どうですか? 映画の定量的評価・解釈のための標準セマンティックスコア法 : ヒューマン・コンテンツ・インタフェースデザインに向けて(5)(高橋 靖),2000 http://id.CiNii.jp/QDGRL

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