- 著者
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曹 力曼
後藤 正和
大島 光昭
- 出版者
- 日本草地学会
- 雑誌
- 日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.6, pp.583-587, 2002-02-15
- 被引用文献数
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5
アルファルファ(Medicago sativa L., 品種 : ディピー)6番草(1996年10月17日刈取り)と1番草(1997年4月14日刈取り)のサイレージ発酵特性を, 無予乾ならびに予乾処理によって水分含量をそれぞれ80%, 74%, 69%, 64%と83%, 71%, 64%, 52%に調整し, 無添加(対照区, C)区, 牧草付着乳酸菌培養液(FJLB)添加区, シュクロース(S)添加区, 牧草付着乳酸菌培養液+シュクロース(FJLB+S)添加区の4処理間で比較検討した。アルファルファに付着する乳酸菌数は6番草と1番草との間で有意な差は認められなかったが, 6番草のほうが有意にサイレージ発酵品質に優れていた(P<0.05)。とくに, 乾物含量29%よりも小さい場合の無添加サイレージでは, 乳酸含量, 酢酸含量, 乳酸/酢酸比が高く, 一方, 全窒素中のアンモニア態窒素含量は低く, したがってサイレージpH値も低くなった。FJLB添加は, 6番草の2種類の高水分サイレージを除くすべてのサイレージにおいて, 有意に(P<0.05)乳酸発酵を促進するのが観察された。また, 酢酸含量やアンモニア濃度の著しい減少に示されるように, FJLB添加や予乾による酪酸発酵の抑制効果は6番草よりも1番草において顕著であった。6番草のサイレージ品質は, FJLBやSの単独添加処理よりもFJLBとSの複合処理による改善効果が著しいことが観察された。以上の結果に基づいて, FJLB添加によるアルファルファサイレージの発酵品質の改善効果ならびにその刈取り番草による差異について論議する。