著者
本島 勲
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, 1978-09-15

境界条件の変化が動水勾配の変化に大きな変化を与えず, また動水勾配が1.0程度の非常浸透流においては, 境界条件に非定常性を考慮すれば, あとは定流浸透流と同様の方法で解析できることに着目し, 基礎方程式を検討している。電気相似法を堤体内非定常浸透流に応用する際は, 特に各ゾーンで透水係数の異なるゾーン型フィルダムにおいては, 各ゾーンの浸透流は, おのおの単独で運動するものとして各ゾーンごとに境界条件を一致させることにより解析が容易になると報告している。具体的な解析方法として, 垂直浸入断面をもつ堤体内非定常浸透流の解析法が検討されている。また有限要素法との比較も行なわれており, 解析時間間隔を等しくすれば, 両者の結果はよく一致するとしている。実際の解析例として, 均一型フィルダム, ゾーン型フィルダムの例が載っている。以上の電気相似法による解析は, 特殊な技術を必要とせず, 装置さえ完備していれば手軽に行えるという点で, 今後の研究に期待される。

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