著者
福岡 正已
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, 1979-03-15

本文は建設省の新四ツ木橋事故調査委員会報告書の要約である。新四ツ木橋事故は, 一般国道6号線の荒川放水路にかかる新四ツ木橋(延長547.8m, 幅員16.25mの道路橋)の7号橋脚の仮締切りをリングビーム工法によって行い, 7段目のリングビームを設置するため土を掘削中, 仮締切りが破壊して, 発生したものである。この事故について, 本委員会は多くの調査を実施したが, 事故にもっとも深い関係を有すると思われる2つの因子について, 特に詳細な検討を進めた。(1)外力の大きさと, その作用状態について : 円形に打った鋼矢板の外側に働く圧力は, 設計に用いた値とほぼ等しかったものと判断される。(2)仮締切り構造の耐荷力について : 鋼矢板とリングビームで構成されたリングビーム工法による仮締切り構造の耐荷力は, 主としてリングビームの座屈耐力によって支配されることが明らかにされた。本委員会はこれらの結果を総合して, 6段目リングビームの作用軸力がその座屈耐力を超過して, 事故が発生したとの判断に達した。

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編集者: X-enon147
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