- 著者
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佐藤 麻知子
佐竹 將宏
塩谷 隆信
菅原 慶勇
高橋 仁美
佐藤 一洋
河谷 正仁
- 出版者
- 公益社団法人日本理学療法士協会
- 雑誌
- 理学療法学 (ISSN:02893770)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.2, pp.37-42, 2002-04-20
- 被引用文献数
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呼吸筋トレーニングの効果的な負荷圧に関する臨床研究は非常に少ない。本研究の目的は,呼気筋および吸気筋トレーニングの効果的な負荷圧を検討することである。健康な短大生36名(男性15名,女性21名;平均年齢±SD:21.4±2.7歳)を対象にした。呼吸筋力測定のみを行う対照群と最大呼気口腔内圧の20%および40%で呼気筋トレーニングを行う群(20%呼気筋トレーニング群,40%呼気筋トレーニング群),最大吸気口腔内圧の20%および40%で吸気筋トレーニングを行う群(20%吸気筋トレーニング群,40%吸気筋トレーニング群)の5群で検討を行った。各トレーニング群ではそれぞれの負荷圧でThreshold^<TM>を用い,1日2回15分ずつトレーニングを4週間継続させ,トレーニング前,1,2,3,4週後に呼吸機能,呼吸筋力を測定した。その結果,呼気筋トレーニングでは,20%呼気筋トレーニング群および40%呼気筋トレーニング群において2週間後から有意に呼気筋力が増加した。吸気筋トレーニングでは,20%吸気筋トレーニング群および40%吸気筋トレーニング群ともに3週間後から有意に吸気筋力が増加した。以上の結果は,呼気筋,吸気筋トレーニングともに,それぞれの20%最大口腔内圧が,健常若年者に対する呼吸筋トレーニングの効果的な負荷圧として十分であることを示唆している。