著者
佐竹 將宏 塩谷 隆信 高橋 仁美 菅原 慶勇
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.286-290, 2019-11-30 (Released:2020-01-28)
参考文献数
23

6分間歩行試験(6MWT)は,運動耐容能を評価するフィールド歩行テストのひとつであり,呼吸運動療法には必須の評価項目である.6MWTは2002年ATSからガイドラインが発表され方法の統一が提案された.2014年にはERS/ATSからシステマティック・レビューとテクニカル・スタンダードが発表された.6MWTの一次評価項目は6分間歩行距離(6MWD)である.6MWDの予測式はEnrightらによって報告されている.日本人の予測式は間もなく本学会から報告される予定である.6MWTは,「6分間にできるだけ長い距離を歩くこと」と定義されている.我々は6MWTの運動負荷は定常負荷であること,また携帯型呼気ガス分析装置等を用いて,6MWTの負荷強度は嫌気性代謝閾値以上であることを示唆した.近年,6MWTは多くの呼吸器および循環器疾患の運動耐容能の評価に必要な検査となってきている.6MWTについて,その生理学意義や特性を理解し,さらにどの施設においても標準的な方法で実施できることが大切である.
著者
塩谷 隆信 佐竹 將宏 上村 佐知子 岩倉 正浩 大倉 和貴 川越 厚良 菅原 慶勇 高橋 仁美
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.26-32, 2016-04-30 (Released:2016-04-25)
参考文献数
32

呼吸筋トレーニング(IMT)は,呼吸リハビリテーションの運動療法において,基盤的な種目の一つである.従来,運動療法に関するIMTのメタアナリシスでは,IMTの併用効果についてある程度評価しているものの,運動耐容能の改善についてはポジティブな評価ではなかった.2011年,Gosselinkらは,2000-2009年に発表された32論文を解析した結果から,COPDにおけるIMTに関する新しいエビデンスを発表した.この報告によれば,IMTにより,最大吸気圧,呼吸筋耐久力,漸増負荷圧,運動耐容能,ボルグスケール,呼吸困難(TDI),健康関連QOL(CRQ)の全ての項目で有意な改善が得られている.従来のIMT機器は,内部のスプリングの長さを変えることにより抵抗を調節するthreshold型であった.最近,バルブ弁口面積をテーパリング方式により変化させるtapered型が開発され,臨床応用が始まっている.近年,IMTでは,持続時間よりも実施回数に重点をおいた方法が考案され,1回の実施を30回とする方式で最大吸気圧の増加が報告されている.今後,IMTに関しては,COPD以外の呼吸器疾患における有用性に関して,多施設多数例における臨床研究が待たれる.
著者
秋吉 史博 高橋 仁美 菅原 慶勇 佐竹 將宏 塩谷 隆信
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.47-52, 2001-03-31 (Released:2018-09-25)
参考文献数
19
被引用文献数
16

呼気筋強化に関する臨床研究は非常に少ない。本研究の目的は呼気筋強化の呼吸筋力に及ぼす影響を健常人において検討することである。健康な短大生36名(男性11名,女性25名 ; 平均年齢 ± SD ; 21.3 ± 2.8)を対象にした。11名はSouffleTMを用い,最大呼気口腔内圧が60cmH2O以下の4名は呼気筋強化用Threshold-EMTTMを用い1日15分間2回で2週間呼気筋強化を行った。11名は吸気筋強化用Threshold-IMTTMを用い1日15分間2回で2週間吸気筋強化を行った。10名は呼吸筋強化を行わないコントロール群とした。呼気筋強化群および吸気筋強化群では最大圧の30%をそれぞれ負荷圧とした。結果は,(1)Souffleを用いた呼気筋強化群では呼気最大口腔内圧は33%,吸気最大口腔内圧は32%それぞれ有意に増加した。Thresholdを用いた呼気筋強化群では呼気最大口腔内圧は44%,吸気最大口腔内圧は35%それぞれ有意に増加した。(2)Thresholdを用いた吸気筋強化群では吸気最大口腔内圧は46%有意に増加したが呼気最大口腔内圧には有意な変化はみられなかった。(3)コントロール群では呼気・吸気最大口腔内圧のいずれにも有意な変化はみられなかった。以上の結果は,呼気筋強化が呼気筋力のみならず吸気筋力を増加させ,呼気筋強化が呼吸リハビリテーションにおいて呼吸筋強化の種目として有用である可能性を示唆している。
著者
塩谷 隆信 佐竹 將宏 川越 厚良 菅原 慶勇 高橋 仁美 本間 光信
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.323-329, 2012-12-28 (Released:2016-04-25)
参考文献数
31

呼吸リハビリテーション(呼吸リハビリ)は,慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の日常生活活動を全人間的に支援する医療システムである.呼吸リハビリは,薬物療法により症状が軽快している患者においても,さらに相加的な上乗せの改善効果を得ることができる.運動療法は呼吸リハビリの中心となる構成要素である.運動療法施行時には体重減少を抑制し,運動療法の効果を高めるために栄養補給療法を併用することが望ましい.近年,低強度運動療法の有用性が報告され,その普及が期待される.運動療法は,継続して定期的に行われる必要がある.維持プログラムとしては,持久力トレーニングと筋力トレーニングが主体となり,運動習慣がライフスタイルに組み込まれていることが望ましい.運動療法のなかで,歩行は性別,年齢を問わず最も親しみやすい運動様式である.
著者
佐藤 麻知子 佐竹 將宏 塩谷 隆信 菅原 慶勇 高橋 仁美 佐藤 一洋 河谷 正仁
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.37-42, 2002-04-20
被引用文献数
1

呼吸筋トレーニングの効果的な負荷圧に関する臨床研究は非常に少ない。本研究の目的は,呼気筋および吸気筋トレーニングの効果的な負荷圧を検討することである。健康な短大生36名(男性15名,女性21名;平均年齢±SD:21.4±2.7歳)を対象にした。呼吸筋力測定のみを行う対照群と最大呼気口腔内圧の20%および40%で呼気筋トレーニングを行う群(20%呼気筋トレーニング群,40%呼気筋トレーニング群),最大吸気口腔内圧の20%および40%で吸気筋トレーニングを行う群(20%吸気筋トレーニング群,40%吸気筋トレーニング群)の5群で検討を行った。各トレーニング群ではそれぞれの負荷圧でThreshold^<TM>を用い,1日2回15分ずつトレーニングを4週間継続させ,トレーニング前,1,2,3,4週後に呼吸機能,呼吸筋力を測定した。その結果,呼気筋トレーニングでは,20%呼気筋トレーニング群および40%呼気筋トレーニング群において2週間後から有意に呼気筋力が増加した。吸気筋トレーニングでは,20%吸気筋トレーニング群および40%吸気筋トレーニング群ともに3週間後から有意に吸気筋力が増加した。以上の結果は,呼気筋,吸気筋トレーニングともに,それぞれの20%最大口腔内圧が,健常若年者に対する呼吸筋トレーニングの効果的な負荷圧として十分であることを示唆している。
著者
照井 佳乃 岩倉 正浩 須藤 恵理子 川越 厚良 大倉 和貴 菅原 慶勇 高橋 仁美 長谷川 弘一 佐竹 將宏 塩谷 隆信
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.335-341, 2019-11-30 (Released:2020-01-28)
参考文献数
29

【目的】歩行時におけるCOPD患者の加速度データから算出した重心変位の特徴を明らかにすることを目的とした.【方法】対象はCOPD患者16名,健常高年者21名とし,3軸加速度計を腰部に装着して 10 mを歩行させた.加速度から重心変位を算出し,左右と上下重心変位をプロットした運動軌道図から左右対称性の指標であるLissajous Index(以下,運動軌道LI)を算出した.重心変位や運動軌道LIと身体機能諸指標との関連を検討した.【結果】COPD患者の左右重心変位は健常高年者よりも有意に拡大し,片脚立位保持時間,大腿四頭筋筋力,呼吸困難感との間に有意な相関関係がみられた.運動軌道LIは両群間に有意差がみられず,身体機能との相関関係もみられなかった.【結論】左右重心変位は立位バランス能力や下肢筋力を反映した評価指標である可能性が示唆された.COPD患者の歩行時重心変位左右非対称性を運動軌道LIにて評価することは困難であると考えられた.
著者
佐藤 一洋 本間 光信 伊藤 伸朗 高橋 仁美 菅原 慶勇 笠井 千景 土橋 真由美 清川 憲孝 敷中 葉月 澤田石 智子 加賀谷 斉 鹿島 正行 佐野 正明 伊藤 武史 佐竹 將宏 塩谷 隆信
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.242-248, 2000-12-31 (Released:2018-08-07)
参考文献数
31

COPD患者に外来呼吸リハビリテーションを施行しその長期効果を検討した.呼吸筋ストレッチ,呼吸筋訓練,上下肢の筋力訓練などを外来で指導し自宅で継続させ,2週間ごとに外来で経過観察と指導を行い,12ヵ月後まで経時的に呼吸機能,運動耐容能,健康関連QOLの評価を行った.その結果,COPD患者ではVC, RV, PImax, PEmax, 6MD, CRQが12ヵ月後までに有意に改善した.以上の成績からCOPDにおける外来呼吸リハビリテーションは呼吸機能,運動耐容能および健康関連QOLを長期に改善させる可能性が示唆された.
著者
菅原 慶勇 高橋 仁美 清川 憲孝 笠井 千景 渡邊 暢 藤井 清佳 柏倉 剛 本間 光信 佐竹 將宏 塩谷 隆信
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.177-181, 2008-10-29 (Released:2016-12-28)
参考文献数
11

当院において呼吸リハを行っている安定期COPD患者を対象に栄養状態を調査し,身体組成,筋力,運動耐容能,炎症性サイトカインとの関連を検討した.呼吸リハを行っている半数以上が%IBW<90%で,REE/REE predictは1.37倍,エネルギー充足率は83%であった.%IBW分類では,低体重群が他2群と比較し,FMI,FFMI,REE,Leptin,FVC,PImaxが有意に低値で,Ghrelin,TNF-aは有意に高値であった.%IBWとTNF-aおよびIL-6において,弱い逆相関が認められた.COPDの体重減少には,REE/REE predict亢進,エネルギー充足率低下および炎症性サイトカインの上昇がかかわっているであろうと推察された.
著者
塩谷 隆信 照井 佳乃 佐竹 將宏 川越 厚良 菅原 慶勇 高橋 仁美
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.62-68, 2020-08-31 (Released:2020-09-02)
参考文献数
21

COPDの終末期には,呼吸困難,疲労感,咳嗽,身体疼痛など様々な症状をきたし,この終末期の症状の中では,呼吸困難が最もその頻度が高く辛い症状である.COPDの終末期の呼吸困難の対策として,Rockerらの三段階の対処法がある.第一段階の呼吸困難に対しては,COPDガイドラインに基づいた最適な気管支拡張薬に運動療法,酸素療法の増加を図る.続いて,第二段階の呼吸困難に対しては,活動ペースに合わせた呼吸リハビリ,口すぼめ呼吸などを行う.第三段階の呼吸困難に対しては,緩和薬物療法として,モルヒネの容量調整と抗不安薬の併用を行うというものである.呼吸リハビリは,多次元的医療サービスを多くの職域にわたる専門家チームの協力によって提供する医療介入システムであり,プログラムとしては,運動療法,呼吸筋トレーニング,栄養療法などを提供する.現在のところ,COPDの終末期の呼吸困難の対策としての確立した包括呼吸リハビリ・プログラムはないが,最近,我々が経験した重度COPD事例を対策の一助として紹介する.終末期COPDにおける呼吸困難の対策として呼吸筋トレーニングを含んだ包括的呼吸リハビリが有用であると考えられるが,今後,多施設多数例における臨床研究によるエビデンスの構築が必要と考えられる.
著者
石橋 靖子 佐竹 將宏 塩谷 隆信 佐々木 誠 高橋 仁美 菅原 慶勇 笠井 千景 清川 憲孝 渡邊 暢 藤井 清佳 河谷 正仁
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.469-473, 2005-05-31 (Released:2017-11-10)
参考文献数
17

吸気筋トレーニングによる吸気筋力の増強が期待される低負荷量を調べるために,健常成人を対象に,最大吸気口腔内圧の20%,15%,10%負荷にて1回15分間,1日2回,4週間にわたって吸気筋トレーニングを行った.結果,いずれのトレーニングでも,呼吸筋力は有意な増強を示したが,肺機能検査値には変化がみられなかった.本研究では,健常成人による低負荷量吸気筋トレーニングの効果がみられたことから,今後,臨床的な応用が示唆された.
著者
高橋 仁美 菅原 慶勇 清川 憲孝 笠井 千景 土橋 真由美 敷中 葉月 澤田石 智子 加賀谷 斉 佐藤 一洋 伊藤 伸朗 本間 光信 佐竹 将宏 塩谷 隆信
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.420-423, 2002-03-31 (Released:2018-08-07)
参考文献数
8

呼吸リハビリテーションを施行して2ヵ月以上経過したCOPD患者に対して,運動耐容能に大きく影響を及ぼす因子について検討するため,一般生体特性(体重,身長など),スパイロメトリー,肺拡散能力,呼吸筋力,大腿四頭筋筋力などを横断的に測定し検討した.測定したデータを正規変換したうえで相関行列を分析し,6分間歩行距離と関連する変数を定量的に探し出して重回帰分析を行った結果,6分間歩行距離には大腿四頭筋の最大筋力を体重で除した体重支持力指数と肺拡散能力が大きく影響を与えることが明らかにされた.
著者
塩谷 隆信 佐竹 將宏 玉木 彰 菅原 慶勇 高橋 仁美 本間 光信
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.8-17, 2012-06-30 (Released:2016-04-25)
参考文献数
30

呼吸リハビリテーション(呼吸リハビリ)は,COPD患者の日常生活を全人間的に支援する医療システムである.呼吸リハビリは,薬物療法により症状が安定している患者においても,さらに相加的な上乗せの改善効果を得ることができる.運動療法は呼吸リハビリの中心となる構成要素である.運動療法施行時には体重減少を抑制し,運動療法の効果を高めるために栄養補給療法を併用することが望ましい.近年,低強度運動療法の有用性が報告され,その普及が期待される.運動療法は,継続して定期的に行われる必要がある.維持プログラムとしては,持久力トレーニングと筋力トレーニングが主体となり,運動習慣がライフスタイルに組み込まれていることが望ましい.運動療法のなかで,歩行は性別,年齢を問わず最も親しみやすい運動様式である.
著者
川越 厚良 高田 靖夫 菅原 慶勇 高橋 仁美 佐竹 將宏 塩谷 隆信
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.57-63, 2010-06-30 (Released:2016-09-01)
参考文献数
29

呼吸回数30回に指定した高負荷圧条件による吸気筋トレーニング(IMT)の効果を検証するために,対象者を,高負荷回数群(HF群),中負荷一般群(MC群),低負荷対照群(LC群)の3群に分け,IMTを4週間行い,呼吸機能・筋力・耐久力,運動耐容能の測定を行った.結果,HF群,MC群ともに吸気筋力・耐久力,運動耐容能は有意に増加し,HF群とMC群間に有意差はみられなかった.以上からHF群はMC群と同等の効果を得られ,新しい負荷条件でのIMTの有用性が示唆された.
著者
照井 佳乃 岩倉 正浩 川越 厚良 大倉 和貴 菅原 慶勇 高橋 仁美 上村 佐知子 佐竹 將宏 塩谷 隆信
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.59-64, 2017-09-01 (Released:2017-11-10)
参考文献数
28

【目的】体幹加速度から求めたLissajous Index(LI)を用いCOPD患者の歩行時体幹運動の左右対称性を評価しLIの有用性を検討した.【方法】対象はCOPD患者16名,健常者21名とした.3軸加速度計を腰部に装着し 10 mを2回歩行した.左右・上下加速度からLIを求め,COPD患者の呼吸機能,下肢筋力,片脚立位保持時間を測定した.COPD患者のLIの検者内信頼性と絶対的信頼性,LIと身体機能評価との関連を検討した.【結果】平均LIはCOPD患者34.2±19.2%,健常者21.1±14.1%で,健常者よりもCOPD患者において有意にLIが大きかった.COPD患者におけるLIの検者内信頼性が認められ,系統誤差はみられなかった.COPD患者のLIは片脚立位保持時間と有意な相関を認めた.【結論】COPD患者における歩行のバランス能力評価として体幹加速度波形を用いたLIの有用性が示唆された.