- 著者
- 
             
             高島 充
             
             長屋 健
             
             菊名 剛
             
             松多 邦雄
             
          
- 出版者
- 社団法人日本東洋医学会
- 雑誌
- 日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.4, pp.635-643, 1997-01-20 
- 被引用文献数
- 
             
             5
             
             
             3
             
             
          
        
        橈骨動脈を対象とした, 東洋医学的脈診法を機械化した。指に代わる交流型の圧力センサーを独自に開発し, 3個のセンサーの押し当て方を検討した。その結果, 各人各様の腕に対して, 滑り機構付のマンシェットが最適かつ被験者の体動の影響を受けにくいことが確かめられた。経験的な動脈の圧迫圧を回避する目的でマンシェット圧の連続減圧を行い, 減圧過程の信号の中から物理量を探り脈診法の科学的解明を試みた。血流が比まる充分な高圧から連続減圧した場合, 各チャンネルの信号は圧力変化に件って振幅が変化し, 全体で特徴的な振幅パターンが得られた。このパターンから, 減圧に伴ってセンサー列の下へ順次拍動流が押し進む様子が観察され, 中央側, 末梢側センサーに拍動流が到達したときの側圧変化, 開口伝播スピード, 浅手掌, 深手掌動脈弓の開閉が観測可能となった。