著者
松崎 茂
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.29-33, 2000-07-20
参考文献数
6

熱傷急性期の患者2名に漢方治療を試みた。症例1は足の熱傷で, 漢方治療前の連日の消炎鎮痛剤内服にもかかわらず, 患部の腫脹が悪化した。局所の高度な発赤, 腫脹, 熱感, 浸出液の他に口渇もあった。局所の証と津液不足から越婢加朮湯を投与し2日で局所所見は軽快した。症例2は顔面熱傷で, 受傷直後から漢方治療を施行した。水疱形成, 疼痛, 興奮には黄連解毒湯と桔梗石膏を投与した。発赤, 腫脹, 熱感が高度になってからは越婢加朮湯を投与した。3日程で, 落屑を残すのみとなった。<br>熱傷治療では, 漢方薬を併用することにより, 短期間に自覚症状の軽減が得られると思われた。

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