- 著者
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宮川 哲夫
高橋 仁美
- 出版者
- 公益社団法人日本理学療法士協会
- 雑誌
- 理学療法学 (ISSN:02893770)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.4, pp.177-182, 2005-06-20
人口の高齢化, 喫煙, 環境の変化に伴い慢性閉塞性肺疾患(COPD)は, 世界的に増加の傾向にある。世界的なCOPDの治療ガイドラインもまとめられ, 呼吸リハビリテーションは包括的内科治療と供に治療の第一選択であり, そのエビデンスも十分に確立されてきている。一方, COPDを中心とした慢性呼吸不全の在宅呼吸ケアには, 在宅酸素療法(HOT)と在宅人工呼吸療法(HMV)があげられるが, いずれも生活支援を行い, 日常生活機能を改善させ, 健康関連QoL(HRQoL)を改善させる包括的な呼吸リハビリテーションの一環として実施されなければならない。ここでは在宅呼吸リハビリテーションについて概説する。COPDの疫学 2001年に行われたNICE(Nippon COPD Epidemiological)study(日本慢性閉塞性肺疾患疫学調査)によれば, 我が国でのCOPDの発症率は40歳以上で8.5%およそ530万人と推定されており, 2000年には初めて死亡原因の第10位となった。現在, COPDは世界の死亡原因の第4位であり, 有病率や死亡率は数十年の間にさらに増加し, 2020年には第3位と予想されている。