著者
及川 卓
出版者
金沢医科大学
雑誌
金沢医科大学雑誌 (ISSN:03855759)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.178-185, 2003-10

背景:エトポシド(VP-16)投与下の肺腺癌にCAMを併用した際の抗腫瘍作用およびアポトーシス誘導の増強効果についてin vitroおよびin vivo実験にて検討した。方法:ヒト肺腺癌細胞株(A549,LCSC#1)を対象に,VP-16,CAMの単独・併用投与におけるin vitroでの抗腫瘍作用をCell Counting Kit-8にて,アポトーシスについてはAnnexinVにて,アポトーシス関連蛋白の発現はWestern blotting法にて検討した。In vivo実験では,マウス大腿部にマウス肺腺癌細胞株(LL/2)を皮下移植し,VP-16,CAMを強制胃内投与後,腫瘍体積の経時変化を解析し,腫瘍細胞のアポトーシス誘導についてApopTagを用いて検討した。結果:VP-16にCAMを併用することにより,抗腫瘍作用とアポトーシス誘導の増強を認めた。Western blotting法では,Cyt-c下流のXIAPの軽度抑制を認めた。LL/2移植マウスの検討でも,VP-16にCAMを併用することにより抗腫瘍作用の増強,腫瘍細胞のアポトーシス増加が確認された。結論:VP-16投与下の肺腺癌にCAMを併用することにより抗腫瘍作用とアポトーシス誘導の増強を認めた。今後XIAPも含め,機序に関する更なる検討が必要である。

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こんな論文どうですか? クラリスロマイシンとエトポシド併用による肺腺癌に対する抗腫瘍作用とアポトーシス誘導について(及川卓),2003 http://id.CiNii.jp/SCkbL

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