著者
今江 秀史
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.447-450, 2002-03-30
参考文献数
9

京都には庭の手入れに関して「御所透かし」・「寺透かし」・「町家透かし」という呼称がある。本研究では,宮内庁京都事務所園林課庭園係の技官をはじめ,業務として御所・離宮,寺,町家の庭の手入れに従事している職人らを対象に,上記呼称に対する認識について聞き取り調査を行った。その結果,手入れは各所固有の動機や要請もさることながら,場の特性や植栽樹木の生長特性に対する柔軟な姿勢に基づいていることが分かった。各所の手入れが相違してみられるのは,要請される事項の多様性が反映されているからであると考えられる。庭の雰囲気の維持・創出には,技術の継承だけではなく場の設えに精通することが重要であることが明らかになった。

言及状況

外部データベース (DOI)

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寺社や御所などの庭に用いる「透かし(すかし)」について知りたい。

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