- 著者
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三輪 浩
横川 純
- 出版者
- 舞鶴工業高等専門学校
- 雑誌
- 舞鶴工業高等専門学校紀要 (ISSN:02863839)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, pp.64-81, 2004-03-10
交互砂州河床から流量減少によって形成された水みち河床が,再び交互砂州河床に移行する過程に及ぼす流量の影響について検討した.その結果,水みちから交互砂州への移行には水みち幅の拡大を伴うが,これは,小流量時では河床上昇に伴う水みちの埋め戻しと浮州の侵食によって行われ,大流量時では浮州の侵食のみによって行われることを示した.また,一様砂河床では浮州は上流部から侵食されるのに対して,混合砂河床では下流部からも同時に浸食されるため,混合砂河床では砂州の形成に要する水みち幅の確保が容易であるとともに,粗砂による前縁線の形成によって砂州は発達しやすいことを示した.さらに,淵の対岸に浮州がある場合はその浮州が侵食され,消滅するまで淵の移動は緩慢であり,とくに小流量の場合には停止している傾向がある.また,浮州の消滅に伴って砂州が形成されると,淵の移動は活発になることを見出した.ただし,小流量時の場合は交互砂州形成後の淵の移動は必ずしも大きくなく,固定化の傾向を示すものもあることを示した.