著者
藤原 耕三 堀井 安姫子
出版者
大阪夕陽丘学園短期大学
雑誌
大阪女子学園短期大学紀要 (ISSN:02860570)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.24-29, 1957-03-25

煮干を用いてその煮出し汁に移行する成分を測定した。得られた結果は次の如くである。1)水道水1Lに対して20gの煮干を使用して沸騰水中で浸出する場合,最初の1分間における浸出量は著しく,7分以後においてはそれ以前に比して低下するが15分後においても尚相当量の浸出を見た。2)浸出されるL-グルタミン酸は,浸出時間に拘わらずその液の全窒素,アミノ態窒素に対しほゞ一定の比率を示し,グルタミン酸窒素の各々に対する比率は約0.7%,4%であった。3)煮干の煮出し汁は鰹節のそれに比して窒素成分に乏しく脂肪が著しく多い。4)煮干を粉砕して使用した場合,各成分の浸出量は丸ごとのものに比して増加し浸出時間の短いものでは2〜3倍を示すが,この比率は浸出時間が長くなると次第に低下した。特にアミノ態窒素においてその傾向が著しかった。5)使用する煮干の量が水の1〜4%程度においては浸出成分は使用煮干量に比例して増加した。終に臨み本研究に種々御指導を賜った阪大工学部教授寺本四郎先生に深甚の謝意を表します。

言及状況

Twitter (3 users, 3 posts, 0 favorites)

収集済み URL リスト