著者
西川 泰
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究資料
巻号頁・発行日
vol.13, pp.3-17, 1971-03-30

昭和41年台風26号の際に, 山梨県, 静岡県を中心にした山くずれの形態は, 地質条件ならびに雨量条件に対応した特徴を示している. 西湖北側に発生した山くずれは雨量との関係が最も深く, その他の地域の山くずれは降雨が契機となっているが地質構造との関係が深い. 西湖北側において, 山くずれによる土石流の規模が必ずしも大きくなかったが, 古くから開けていた集落に大打撃を与えたことは, 砂防ダムの効能の変化, 河川流路の改変など人為的な防災事業の限界を示したものと思われ, また, 山地災害における免疫期間の切れる機構を解明するかぎを与えているものである.

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