著者
高橋 喜久雄 坂口 輝子 池谷 幸子 中村 春美 湊 真理子
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.157-162, 2002-08-01

埋伏した下顎智歯を抜歯した後は,浮腫,疼痛,開口障害が通常みられる。われわれは下顎智歯抜歯患者111名に対して簡易冷罨法の効果を対照群(n=118)と比較して検討した。冷罨法の材料はパックし冷凍したポリジクロロナトリウムで,抜歯直後に顔面皮膚に適応した。主な結果は以下の如くである。1)冷罨法実施群と非実施群では,術後の体温,腫張度,開口度,鎮痛剤の服薬回数に統計的な有意差は見られなかった。2)術後の疼痛と開口障害感は患者の自覚的な評価としてVisual Analog Scaleを用いておこなったが,このような主観的評価では,いずれも冷罨法群が良好な結果を示した。3)冷罨法の適応に対して心地よさを感じた割合は74.8%であった。4)2群において,冷罨法による治癒促進効果や合併症の発現頻度に差は認められなかった。

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