著者
牧野 幸志
出版者
摂南大学
雑誌
経営情報研究 : 摂南大学経営情報学部論集 (ISSN:13402617)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-11, 2006-07

本研究は,現役の高校生がどれだけソーシャル・サポートを得ているのかと高校生の精神的健康状態について調べ,大学生と比較した。また,高校生を含む青年期のソーシャル・サポートと精神的健康との関係を検討した。ソーシャル・サポートは実際にどの程度サポートを得ているかという機能的ソーシャル・サポートを用いた。精神的健康では,身体症状,不安と不眠,社会的活動障害,うつ状態の4つが用いられた。調査の結果,高校生は大学生と同程度のソーシャル・サポートを得ていた。また,高校生の精神的健康状態はいずれにおいても大学生と変わらず,健康な状態であった。さらに,高校生を含む青年期において,ソーシャル・サポートと社会的活動障害,うつ状態は負の関係がみられ,ソーシャル・サポートが高いほど,社会的活動障害とうつ状態が低いという傾向がみられた。すなわち,青年期におけるソーシャル・サポートは精神的健康の限定された部分に促進効果をもっていた。

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