著者
平本 大
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.464-473, 1991-10-31

上限瞼挙筋支配運動ニューロンの中脳動眼神経核内での局在については,他の外眼筋支配運動ニューロンに比べて十分研究されていない。今回ヒトに近いサル,さらに下等なネコ,ウサギの三種属について比較検討した。方法は神経細胞標識トレーサーであるhorseradish peroxidase (HRP),更に蛍光色素(fast blue, propidium iodide, diamidino yellow dihydrochloride)を用い上眼瞼挙筋支配運動核の同定と二重標識法にて単一ニューロンによる二重支配の存在を検討した。サルでは正中尾部核central caudal nucleus (CCN)の局在と対側優位の両側支配を示し,さらに二重神経支配をするニューロンが初めて見いだされた。ネコではCCNが対側優位の割合がサルに比べて少ない両側支配であり,二重支配ニューロンはみられなかった。ウサギでは,完全な対側支配であり亜核は主核の中で上直筋亜核に接してみられた。系統発生学的にみると,完全な両眼瞼の共同運動をするサルになるとそれに好都合な上眼瞼挙筋運動ニューロンの二重支配ニューロンの出現と支配運動核の分化がみられた。

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上限瞼挙筋支配運動ニューロンの中脳動眼神経核内での局在については,他の外眼筋支配運動ニューロンに比べて十分研究されていない。今回ヒトに近いサル,さらに下等なネコ,ウサギの三種属について比較検討した。方法は

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