著者
崔 康植
出版者
香川大学
雑誌
香川大学經濟論叢 (ISSN:03893030)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.191-205, 2004-09-01

事後的な交渉の非効率性に基づく取引費用の経済論のアプローチの観点から日本の音楽産業の実証研究を取り上げる.どのような要因で垂直的な統合を行い,企業の効率性を高めたかを調べる.その結果,日本楽器製造株式会社というヤマハの企業の事例分析の場合,伝統楽器から電子楽器への技術移行の過程には垂直的な統合が重要な役割を果たした.とりわけ,ヤマハは内製された半導体工場によって技術体系が成熟段階における既存の非効率性を回避してきた.したがって,技術の複雑性が増す新しい製品概念となるほど,その内製化された半導体工場を利用したのは,取引費用の経済論の不完備契約に対するアプローチを部分的に支持している.

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[*流通システム論] 資産特殊性、取引費用

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