著者
加野 芳正 矢野 智司 湯川 嘉津美 鳶野 克己 村上 光朗 古賀 正義 越智 康詞 松田 恵示 毛利 猛 櫻井 佳樹 西本 佳代
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

マナーに関する理論研究と実証的研究を平行して進めてきた。その結果、以下のような知見が得られた。(1)法律や道徳と比較したときにマナーは独自の領域を構成している。(2)マナー(あるいは礼儀作法)は人と人を結びつけ、公共的な社会に参加していく上で不可欠なものである。(3)マナーは文明化や社会の近代化とともに私たちの社会に出現してきた。(4)日常生活におけるマナーとしては挨拶を重視する人が多い、また、家庭でのマナー教育に焦点を絞れば、食事の場面を重視する人が多い。(5)どのようなマナーが求められるかは、文化によって規定されている。
著者
岡田 知也
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.89-101, 2006-03

本研究では教員を目指す学生が,筆者が担当する各「教科の指導法」科目において,どのような力を身に付けるべきであるかという教育内容を,カリキュラム全体を視野に入れつつ,筆者自身の実践経験や教育実践の場の実態を加味して構築し,それを達成するために各授業はどのような素材に基づき,どのような学習指導過程をたどるべきであるかを考察していきたい。なお「教科の指導法」科目のうち,今回は音楽科教育論について,とりわけ筆者が担当している5つの各論中の一つ,「君が代」論における教育内容及び実践内容について述べることとする。
著者
若林 教裕
出版者
香川大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-23)

生徒の興味関心と科学的な思考力を高めるための教材開発として音の引き起こす不思議な現象に着目した教材開発をした結果、共鳴現象を利用したワイングラスの破壊が成功したので、その実践例を報告する。〈実践1〉音でワイングラスを割る方法(1)選挙カー用のスピーカーを100Wのアンプにつないで使用する。(2)低周波発信器でワイングラスの固有振動数を探し、その周波数にあった音でグラスを共鳴させる。(3)ストローをグラスに入れてその揺れ具合で固有振動を発見する。(4)ストローの揺れ具合が一番激しくなった(ストローがグラスから飛び出るぐらい)ところで、アンプの音量を一挙にあげるとワイングラスが破壊する。固有振動が一致していれば、瞬時に破壊することができる。(動画・画像あり)〈実践2〉「音でワイングラスを割る」実験を盛り込んだ授業実践(1)大きさの違うワイングラスにスピーカーで音を当て、特定のワイングラスしか揺れない現象を演示。(2)特定のワイングラスしか揺れなかった原因を考えさせる。(3)自作の「目で見える共振器」(昨年開発)を使い、課題を解明する実験を行う。(4)高い声には短い棒が、低い声には長い棒が振動するという気づきから、特定のワイングラスにあった振動数の音を当ててやるとグラスが揺れやすくなることを見いださせる。(5)身近なところに共鳴現象があることにふれる。→再度、ワイングラスを揺らす実験を行い、音を大きくするとどうなるか訪ね、ワイングラスを割る実験を見せて、音が引き起こす面白さや不思議さを実感させる。音でグラスを割った瞬間、生徒からは驚きの大歓声があがった。授業後の振り返りにも、身の回りの共鳴現象として、音楽室である特定のピアノ弦をたたくと周囲の楽器が鳴ったり、通る車によって窓ガラスが揺れたりする現象があげられたりして身近な生活との関連も図ることができた。
著者
宮脇 秀貴
出版者
香川大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

まず、エンパワーメントをハードな側面とソフトな側面に分類し、特にソフトな側面に焦点を当て、コーチングなどによるコミュニケーションの見える化がエンパワーメントを補完することを明らかにした。次に、エンパワーメントを行う側とされる側に分類し、人の記憶の改変性に焦点を当て、コーチングを深層インタビューと融合することで、組織成員の内面を写し出すコンセンサスマップの活用可能性を示し、会計情報の有効性の測定方法を明示した。
著者
上村 貞美
出版者
香川大学
雑誌
香川法学 (ISSN:02869705)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-41, 1986-04-10
著者
加野 芳正 吉田 文 飯田 浩之 米澤 彰純 古賀 正義 堤 孝晃
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

本研究は研究課題を達成するために、4つの作業を同時並行的に進めている。それらの作業は、(1)学会の歴史に関する資料の収集と整理と分析、(2)日本教育社会学会の先輩会員(教育社会学第2 世代)へのインタビュー調査、(3)学術的な課題による日本語論文集= 2巻の刊行、(4)英語による論文集の刊行、の4 つである。(1)学会の歴史に関する資料の収集と整理については、研究分担者の飯田浩之を座長として進めている。具体的な内容としては、保存資料の整理、保存資料のPDF化(アーカイブ化)、学会に関する基礎資料の整備、欠落している資料の補填、アーカイブ化した資料の保存・公開についての検討、アーカイブ化した資料の活用・分析、がある。(2)日本教育社会学会会員(教育社会学第2 世代)へのインタビュー調査については、研究分担者の吉田文を座長として進めた。これまで、柴野昌山、市川昭午、潮木守一,木原孝弘、神田道子、原田彰、柳治男にインタビューを実施した。(3)学術的な課題による日本語論文集= 2 巻の刊行については、研究分担者の古賀正義を座長として進めた。第1 巻は『教育社会学のフロンティアⅠ-学問としての展開と課題』(日本教育社会学会編 責任編集:本田由紀、中村高康)、第2 巻は『教育社会学のフロンティアⅡ-変容する社会と教育のゆくえ』(日本教育社会学会編 責任編集:稲垣恭子、内田良)である。両巻とも13 章からなり、これに「序論」と「まとめ」が加わる。2015年12月19日には執筆者が集まり、執筆内容についての検討会を行った。(4)英語による論文集の刊行については、研究分担者の米澤彰純を座長として進めている。タイトルは、Akiyoshi Yonezawa,Yuto Kitamura,Beverley Yamamoto,Tomoko Tokunaga eds, Education in Japan in a Global Age -Sociological Reflection and Future Direction,を予定している。
著者
郭 沛俊 捻金 恭子
出版者
香川大学
雑誌
香川大学經濟論叢 (ISSN:03893030)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.275-300, 2006-09-01
著者
室井 研二
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育学部研究報告. 第I部 (ISSN:04549309)
巻号頁・発行日
vol.126, pp.1-16, 2006

2003年7月19日〜20日にかけて九州一帯を記録的な集中豪雨が襲い、福岡県太宰府市、飯塚市、熊本県水俣市等で甚大な被害が発生した。以前、筆者はこの災害について太宰府市を対象に調査する機会を得た。その一応の成果は室井(2005)でまとめたが、その後、調査対象地に飯塚市を加え、現在は両地域の比較を念頭に置きつつ調査を継続している。本稿では両地域がこの災害でどのような被害を受け、どのように対応し、現在どのような復興状況にあるのかを概観する。調査データの整理と記述を主眼とした作業論文であるが、最終節では両地域における地域防災の課題について社会学的な観点から論及してみることにしたい。
著者
岩本 直樹
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育研究 (ISSN:13490001)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.101-112, 2007-03
被引用文献数
1

新任採用、昇進、大学、研究所組織内部の教員、研究者、研究グループの生産性の評価等において学術論文リストは研究業績を評価するための基礎資料として不可欠である。中でも、学術論文リストの中の「論文数」は一目瞭然で、分かりやすい具体的数字であるため、しばしば「生産性」の指標とされがちである。本稿ではWeb of Science^^<[○!R]>の中のScience Citation Index Expanded^<TM>を使い、論文の被引用回数を質の評価の基準に取り、サンプル集団について分析を行った。その結果、Web of Science^<[○!R]>に採択されているようなある一定の基準を満たした「世界で最も権威と影響力のある高品質な学術雑誌」に掲載された論文と言えども、「論文数」は論文の質とは全く関係がない場合が多くあることがわかった。引用回数を使うに当たっての注意すべき点、研究者個人の評価と、その個人が属する研究グループ、組織の評価との関係、特に共著論文の取り扱い等における問題点等を議論する。
著者
山内 加奈子 田中 美紗 加藤 匡宏 大西 美智恵
出版者
香川大学
雑誌
香川大学看護学雑誌 (ISSN:13498673)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.65-75, 2008-03

とし子(仮名)は,早産(24週)で出生した超早産児である.とし子は,脳性麻痺や知的障害がないにも関わらず,2歳2ヶ月(修正月齢23ヶ月)になっても母親をふくめて誰に対しても発語がなく,主治医は彼女が言葉の遅れがある可能性を示唆した.主治医は,とし子に母親からばかりではなく社会からの言語刺激を与える必要があるとして,筆者らのプレイルームを紹介した.高等教育を受けた母親は,とし子をバイリンガル児に育てようとしていた.遊戯療法の第1期において,筆者らは,とし子が赤ちゃん人形でままごとをして遊んでいることを認めた.しかし,とし子は,運動技能を要求されるような,例えば跳びはねたりバランスを維持したりするトランポリンやラージセラピーボールの上ではねるなど体全体を使う遊具を嫌った.筆者らは,アニメーションキャラクターの声が聞こえるおもちゃの電話を用意した.そのころから,とし子はトランポリンや大きなセラピーボールの上で遊び始め,家庭では「パパ,ママ,じじ」とか「ブーブ」などの1音節の擬態単語を声に出せるようになった.遊戯療法の第II期において,とし子はトランポリンや大きなセラピーボールの上でのダイナミックな動きに伴って,1音ずつの単語が出てくるようになった.とし子は,家庭で両親など周りの人々が言った言葉やTVで聞いた言葉を真似するようになった.第III期に入ると,とし子は,買い物ごっこ遊びに興味があると言い始めた.第III期のおわりには,買い物ごっこ遊びを通じて,筆者らは,とし子と相互的な言語コミュニケーションが可能となった.つまり,筆者らは,遊戯療法において,色々な身体的刺激を与えることによってとし子の表出性言語障害を治療することに成功した.遊戯療法による日本語教育がとし子の表出性言語障害に治療的効果があったことから,日本人の両親が幼児期において子どもをバイリンガル児に育てるという試みは,子どもの言語発達に害を与える可能性があることを示唆する.
著者
吉田 裕子 佐藤 禮子
出版者
香川大学
雑誌
香川大学看護学雑誌 (ISSN:13498673)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.9-16, 2007-03

本研究の目的は,終末期がん患者と周囲の人々とのつながりに関連する状況を明らかにし,終末期がん患者と周囲の人々とのつながりを促進させるための看護への示唆を得ることである.6名の終末期がん患者を対象に,参加観察法,面接調査法によって資料を得,質的分析により,以下を明らかにした.終末期がん患者と周囲の人々とのつながりに関連する状況は,【自己の価値を保てる】【人の輪の中に居て心地よく,安堵感を得る】【愛情や思いやりをとりかわす】【残してゆく家族の幸せを願う】【死を連想するような関わりをためらう】【愛情や思いやりが過剰で反って重荷になる】【家族や他者に負い目を感じる】【必死な思いが家族に伝わらない】【人との隔たりを感じ孤独に陥る】の9であった.これら9の状況は,つながりの有る状況とつながりの無い状況の2つに大別されていた.前者は,終末期がん患者が過酷な状況にありながらも生きていく力や励みを得ることを可能にするものである.一方後者は,終末期がん患者に過重なストレスを与え,生きる力を消耗させる可能性をもつものである.つながりの無い状況の根底には常につながりへの希求が在ると考えられ,つながりの有る状況と無い状況とは,表裏一体の関係にあると考えられた.従って,終末期がん患者と周囲の人々とのつながりは,関連する状況として両者を含め,つながりの正の部分,負の部分として捉えることが必要である.看護職者は,終末期がん患者と周囲の人々との交わりの根底には正のつながりへの希求が在ることを常に念頭に置くことが必要である.その上で,終末期がん患者と周囲の人々とのつながりを促進するためには,つながりが患者にとってどのような効果がもたらされているかをアセスメントし,つながりの負の部分の裏側にある正の部分を引き出し,育むための計画的看護介入が重要であるという示唆を得た.
著者
ノイマン フロリアン
出版者
香川大学
雑誌
香川大学生涯学習教育研究センター研究報告 (ISSN:13420534)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.15-39, 2008-03

本論文は今年ミュンヘン大学に提出予定の博士論文を要約したテキストの一部である。大正・昭和初期の東京帝国大学教授・右翼思想家上杉愼吉をテーマとし、特に第一次世界大戦後の大正デモクラシーに対する上杉の反発を詳しく分析している。上杉は1919年に東京帝国大学で結成された新人会に対抗して右翼学生団体興国同士会をつくり、パリ講和会議後の国際新秩序に対して激しく批判し、『國體精華發揚』と『暴風來』を執筆した。『國體精華乃發揚』で上杉は日本国家の大改造を呼びかけ、「思想の淘汰」、「国威の宣揚」、「挙国皆兵」、「経済の統一」、「民生の修固」、「政治の刷新」を要求した。上杉は社会的に無視された運命となった。
著者
石川 徹
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育学部研究報告. 第I部 (ISSN:04549309)
巻号頁・発行日
vol.122, pp.7-14, 2004

The chief objective of this paper is to examine Reid's theory of "passions". We use the word "passions" not only in Reid's way, but in common usage in 18th century, because we can best understand his theory in contrast with his contemporary philosophers, especially David Hume. First, we observe that Reid's conception of causation, that is, agent causation determines his general philosophical scheme and that human action is the most important subject of his inquiry. Secondly, we survey three kinds of action principles, mechanical principles, animal principles, and rational principles. In effect we find Reid thinks all of the principles are equally important for human existence and happiness. But these factors sometimes will be very violent and destroy the harmony in mind, so must be under control of reason and will. Finally, we evaluate the possibility of Reid's theory, in contrast with Hume's theory. They are very different in their conceptual scheme, but have much in common in weighing the value of our ordinary life. If Reid would pay attention to our particular passions, he could have developed a very interesting anthropology.