- 著者
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山田 省吾
- 出版者
- 神戸市看護大学短期大学部
- 雑誌
- 紀要 (ISSN:13428209)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, pp.123-130, 2005-03-01
本稿は、アメリカにおける在外研究(2003年11月〜2004年2月)の成果をまとめたもので、上下二部構成からなるエッセイのその第一部に当たる。冬のボストン、ケンブリッジ滞在中の生活やアメリカ各地をめぐる旅によって触発された思索と、テクスト(絵と詩)の解読とを重ね合わせることで、19世紀アメリカの「ルネッサンス」、「鍍金時代」、「南北戦争」下におかれた近代人の精神構造を明らかにする。この第一部では、ニューヨークのメトロポリタン美術館で目にした、黄昏の風景画家サンフォード・ギフォードの油彩画『迫り来る嵐』の孕む重層性を読み解き、さらに、それをモチーフにして詩作されたハーマン・メルヴィルの『戦闘詩篇』中の一篇、「迫り来る嵐」の提示する主題「人間の究極の知」についての考察(第二部)への橋渡しとする。