著者
Phuong Pham Thi Minh 一色 司郎 田代 洋丞
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.236-242, 2006-05-15
被引用文献数
1

ヴィエトナムのシャロットを遺伝資源として評価するために、北部、中部および南部から集めた系統の遺伝的変異を調べた。これらの系統を佐賀大学のプラスチックハウスで栽培し、形態および生理的形質を調査した。また、RAPD法で全DNAの多型を、PCR-RFLP法で葉緑体およびミトコンドリアDNAの多型を分析した。北部の系統はすべて、葉が開張性で、暗緑色であり、抽苔が遅く、球根形成が早かった。球根の皮の色は、球根形成時には白かったが、収穫後には褐色になった。中部と南部の系統はすべて、葉が半開張性で、若い葉は黄緑色であったが、成葉は暗緑色になり、抽苔が早く、球根形成が遅かった。球根の皮の色は、球根形成の始めにはピンクであったが、成熟すると赤くなった。RAPD分析の結果にもとづいて系統間の遺伝的距離を計算し、デンドログラムを作成した結果、供試した系統は二つのグループに分かれた。一つは北部の系統からなり、他のグループは南部と中部の系統からなっていた。PCR-RFLP分析の結果、供試したすべての系統の葉緑体およびミトコンドリアDNAは、用いた制限酵素すべてで同じバンドパターンを示し、これらの系統は同様な細胞質を持つと考えられた。以上の結果から、ヴィエトナムには遺伝的に異なる二種類(北部型と南部型)のシャロットが存在することが明らかになった。これらが持つ異なる特性は熱帯および亜熱帯のシャロット、タマネギおよびワケギの育種に利用できると考えられる。

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こんな論文どうですか? ヴィエトナムのシャロット(Allium cepa L. Aggregatum group)の遺伝的変異(フオン ファム T.M.ほか),2006 http://t.co/fejV5fCcho

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