著者
侘美 光彦
出版者
立正大学
雑誌
経済学季報 (ISSN:02883457)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.65-124, 2003-10

本論文は、1971年以来確立した現代変動相場制を、その現実的機能と限界について分析した論文である。まず、そのために第1章において、1970年代、80年代、90年代のそれぞれの変動相場制期について、どのようなことが起こり、どのような問題が発生したのかを具体的・実証的に検出し、ついで第2章において、この検出を踏まえた総括的分析を行ない、とりわけ、従来の経済学が指摘してきた為替相場均衡理論や経常収支調整理論が根本的に間違っていたことを明らかにする。本稿は、そのうち第1章(1) 1970年代(1971〜80年)、すなわちスミソニアン体制、第一次石油ショックとスタグフレーション、為替相場の二極分化と対途上国民間融資の急増、および(2) 1980年代(1981〜90年)、すなわち主に、レーガノミックスとその国際的帰結、プラザおよびルーブル合意、ドルの暴落とブラック・マンデー、等々を分析したものである。

言及状況

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