- 著者
 
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             菅森 義晃
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本地質学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 地質學雜誌 (ISSN:00167630)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.112, no.6, pp.390-406, 2006-06-15 
 
          
          
          
          - 被引用文献数
 
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             7
             
             
             9
             
             
          
        
 
        
        
        本論では,層序や構造に不明な点が多かった京都西山地域の中・古生界の層序区分を行った.研究地域の中・古生界は構造的上位の高槻層(再定義)と島本層(新称)及び下位の丹波帯に区分される.年代未詳とされた従来の高槻層は,砕屑岩主体の上部ペルム系高槻層と中部三畳系島本層に区分されることが明らかになった.一方,丹波帯は構造的上位から本山寺コンプレックス(再定義),出灰コンプレックス(再定義)及び田能コンプレックスに細分される.本山寺コンプレックスから三畳紀新世前期,出灰コンプレックスから三畳紀新世後期及び田能コンプレックスからジュラ紀古世を示す放散虫化石が,それぞれの砕屑岩から産出する.これらの丹波帯の各コンプレックスはその層相及び構造から付加複合体と判断され,丹波帯の付加・形成が三畳紀新世前期には始まっていたと考えられる.