著者
近藤 高貴
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.227-236, 1987-12-31
被引用文献数
5

岡山県旭川水系の祇園用水に生息するイシガイ類7種の繁殖期を調べた。その結果, グロキディウム幼生の放出時期に関して"冬繁殖"と"夏繁殖"の2つのグループが認められた。ここでは冬繁殖とは水温10℃以下でもグロキディウム幼生を放出できるグループ, 夏繁殖は水温10℃以上でしかグロキディウム幼生を放出しないグループと定義した。また, カタハガイでは寄生期間中に幼生の殻の生長が見られたが, 他の種では見られなかった。以上の結果と文献の資料に基づいて, 日本産イシガイ類の繁殖様式を, 1)冬繁殖で寄生期間中に幼生が生長する種(カタハガイ), 2)夏繁殖で寄生期間中に幼生が生長する種(カワシンジュガイ), 3)冬繁殖で寄生期間中に幼生が生長しない種(ニセマツカサガイ, オトコタテボシ, カラスガイ, ドブガイ, マルドブガイ), 4)夏繁殖で寄生期間中に幼生が生長しない種(マツカサガイ, オバエボシ, イシガイ, タテボシ, ササノハガイ, トンガリササノハガイ, イケチョウガイ)の4つのタイプに分類した。

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こんな論文どうですか? イシガイ類 7 種の繁殖期,1987 http://ci.nii.ac.jp/naid/110004764553 岡山県旭川水系の祇園用水に生息するイシガイ類7種の繁殖期を

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