著者
横井 鎮男
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築學會論文集 (ISSN:03871177)
巻号頁・発行日
no.46, pp.92-96, 1953-03-30
被引用文献数
1

大火災の火流の性情に関する研究の一環として火先線の風下に於ける平均温度の分布を調べた。基木方針としては藤田金一郎博士の提唱される「市街地の乱れた風によつて熱が拡散されつゝ風下に運ばれる」という考え方に従い、上昇気流がある場合の熱の乱流拡散の方程式を立て、これを近似的に解いて、模型実験の結果と比較した。更に結果の式のパラメーターの数値を仮定して市街地の大火の場合を計算した結果、風下側の地上の温度は平均値としてそれ程高くはならず、延焼の危険はこの平均温度で予熱された後に、火線方向から稍下向の強い風が10数秒継続したときに大きいのではないかと思われる。

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