著者
曽田 修司
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.51-62, 2005-03-15

日本の公立文化施設は、これまで「貸し館」といわれる運営方式が中心であったが、近年、芸術監督やプロデューサーを選定し、質の高いオリジナルな舞台作品の創造・提供を志向する劇場・ホールが次第に増えてきている。これまでは、専門家による劇場運営は地域の文化力向上につながらないという考え方が一般的であったが、筆者は、むしろ専門家が文化施設の運営にもっと深く関わることによって、市民が創造力を身につけ、文化の発信力を高めていくことが可能になると考える。そのためには、行政機関が民間と協働し、民間のイニシアティブを活かすような取り組みが必要である。既にいくつかの地域の公立文化施設では、民間のアートNPOとの協働による個性的な運営のしくみづくりによって地域の文化活動に関する「新しい公共性」の形成に貢献している。今後、それらの取り組みが地域の文化的なオリジナリティの涵養、文化を活かした産業育成につながることが期待される。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

卒論/研究支援→CiNii 論文 -  公立文化施設の新たな役割 : 公立劇場・ホールに専門家が関わることの意味について http://t.co/3b2MTyxv #CiNii

収集済み URL リスト