著者
江幡 敦子 竹川 英宏 大門 康寿 小林 祥泰
出版者
獨協医科大学
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.105-110, 2006-03-25

脳梗塞の早期治療は重要だが,超急性期のtissue plasminogen activator (t-PA)の他に,早期治療の有効性は証明されていない.われわれは,t-PA適応のないアテローム血栓性梗塞の早期治療の有効性について検討した.対象はJSSRS脳卒中急性期患者データベースに登録された127例のアテローム血栓性梗塞で,発症から当院到着までを発症一来院時間とし,発症3〜6時間の早期来院,6時間以降の非早期来院に分類し,退院時のmodified Rankin Scale (mRS)およびNIHSS改善度を求めた.退院時mRSに差はなかったが,NIHSS改善度はそれぞれ1.9±3.5,1.6±6.4であり,早期来院で有意に改善した.近年,"Brain Attack"の重要性が唱えられているが,t-PA適応に外れた場合でも早期に来院,治療をすることの重要性の一部を裏付けたものと考えられた.

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きょうのゼミは、脳卒中データベースを利用した医学研究の事例。3年生が選んできた論文ですが、学部生には難しい内容をよく調べてきたと思います。 もちろんデータベースの蓄積方法も大事ですが、それが臨床でどう使われているか学ぶことはもっと大事なことだと考えています。 江幡 敦子. アテローム血栓性梗塞の早期治療は予後改善に有効であるか? : 脳卒中急性期患者データベースを用いた検討, Dokkyo jo ...

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