著者
王 凱軍 鈴木 常良
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷法学 (ISSN:02864258)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.92-106, 2005-06

中国の主な河川、水域の水質汚濁が深刻化し、そのことが水資源不足を加速させている。都市汚水による環境汚染の拡大にともない、処理コストの高さ、余剰汚泥の大量発生および深刻な二次汚染などの問題が表面化してきた。中小都市の発展と都市化の進展によって汚水量が急増したが、現行の汚水処理方法では水汚染の抑制に限界があり、水質の悪化がさらに進むものと予想される。さらに、汚染が広がる中国各地の湖では、面源からの汚染負荷が負荷全体の五〇%以上に達している。化学肥料や農薬、畜産および都市生活などを中心とする面源汚染がますます深刻さを増し、点源問題の解決後の重要な環境課題となっている。本論では、中国が直面している水汚染と水資源不足の問題、面積が広く量が膨大な都市汚水問題とその処理技術、ならびに面源汚染に対する認識不足などの問題について検討を加え、それぞれの問題に対する解決策を提示した。

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