- 著者
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武藤 慶子
- 出版者
- 九州女子大学・九州女子短期大学
- 雑誌
- 九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.4, pp.9-18, 1996-03
家庭における日常食は調理簡便化の傾向が進み、どの家庭でも食生活は外部化された現状にある。本調査は、家庭における日常食の調理簡便化の実態の把握と、食の伝承の把握方法として日常食の調理方法を子供へ教える方法を1994年5月に北九州市在住する調理担当者250名を対象に調査対象料理数12品目でアンケート調査を実施し、以下のような結果を得た。(1)調理簡便化の意識度(5段階評価法)は調査対象者の平均で2.6だった。(2)世帯(12料理平均)における調理簡便化度1.8±0.5であった。12料理別の調理簡便化度はきんぴらごぼうが1.1で低くカレーライスは2.9で調理簡便化が進んでいた。(3)料理の調理方法の習得先は、五目すし、てんぷらなどの日本風料理は母親から習得しており、ぎょうざなどの外国風料理はTVや本などから習得していた。(4)子供に教える調理方法は現在の日常料理の調理方法で教えたいと考えているが、日本風料理の方が現在の調理方法のまま教えたいと考えている傾向が強かった。(5)調理簡便化に対する意識と調理簡便化度の間には相関があったが、子供に教える方法と調理の簡便化との間には相関がなかった。