著者
荻原 桂子
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09162151)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.91-100, 1998-03

作品末尾の「憐れ」は「非人情」の対極にあるのではなく究極に存在するものである。「非人情」を追求してきた画工にとって、それは非現実的なものではなく、現実的な確かなものである。現実は何一つとして変わっていないが、画工の意識の中では変化が遂げられる。それは、那美の内面の変化でもある。

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