著者
加藤 健一 小川 哲司 小林 哲則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.442, pp.25-30, 2006-12-15

本稿では,特徴変換にブースティングの枠組を適用した識別器統合手法を提案する.一般的に,複数の識別器を統合するとき,識別性能は向上することが期待できる.しかし,識別器の統合にあたって,二つの重要な課題がある.一点目は,統合する識別器各々の誤り傾向が異なっていなければ(相補性がなければ),わずかな性能の改善しか得られない点,二点目は,相補的な識別器が生成されたとしても,各々の識別器が与える情報の統合手段が適切でない場合,やはりわずかな性能の向上しか得られないという点である.そこで本稿では,上述した二点を考慮した上で,相補的な識別器の生成手法と,その統合手法について検討を行う.相補的な識別器を生成するにあたっては,Heteroscedastic linear discriminant analysis (HLDA)に基づく特徴変換の過程でブースティングの枠組を適用した.また,統合においては,各々の識別器から出力される尤度の情報を特徴ベクトルとし,このベクトルが張る空間上でSupport vector machine (SVM)に基づくパターン認識を行った.提案手法により識別器を統合することで,孤立単語音声認識実験において,統合前と比較し74%の誤りが削減されることがわかった.

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こんな論文どうですか? 特徴抽出過程におけるブースティングの適用による相補的な識別器の生成およびその統合(Session-5 特徴量・音響モデル,第8回音声言語シンポジウム)(加藤 健一ほか),2006 http://t.co/koQ16PLR

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