著者
梅森 佳子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.517, pp.79-84, 2007-01-23

モンタギューの体系化した内包論理(intensional logic)には,その根本に重大な問題が指摘されている.その一つは,可能世界の概念による弱い内包性で,もう一つは,その依拠するタイプ理論である.前者は,命題態度の問題を扱えないという帰結を,後者は無限にして不十分なタイプを,その回帰的手法により生成してしまいうという帰結を生むことになる.本発表では,これら問題点を根本的に解決する意味論の枠組の試みを,名詞表現(固有名詞,一般名詞,名詞句)の分析を通して紹介する.結果として,本枠組は上記の問題点を解消するだけではなく,一般名詞の指示の問題や固有名詞のタイプの問題もうまく扱うことが示される.

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