著者
三谷 明美 赤井 由紀子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.39-43, 2006-03
被引用文献数
1

本研究は、少子化対策基本法の理念に基づいた思春期における支援のあり方を考える基礎資料を得ることを目的に結婚観および母性理念の性差による比較をする研究を行った。高校生の結婚願望および将来の子供の希望については80%の学生が結婚し、子供が欲しいと思っており、性差はみられなかった。性別役割分業については男女とも否定的であり、男女共同参画の概念が浸透しつつあると考えられる。さらに、結婚、出産後、また、子供が大きくなったら仕事を再開することについては男女とも肯定的で、女子にその傾向が強かった。性差と母性意識との関連については、男子の方が女子より伝統的な母親役割を肯定していた。また、女子は、妊娠・出産・育児が女子の自己実現につながるという項目に対して否定的な答えが多かった。また、母性理念尺度27項目のうち18項目は男女とも30%以上が「どちらとも思わない」と回答していることから、母性理念尺度からみた高校生の母性意識の形成は準備段階にあることが示唆された。

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