著者
三谷 明美 赤井 由紀子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.39-43, 2006-03
被引用文献数
1

本研究は、少子化対策基本法の理念に基づいた思春期における支援のあり方を考える基礎資料を得ることを目的に結婚観および母性理念の性差による比較をする研究を行った。高校生の結婚願望および将来の子供の希望については80%の学生が結婚し、子供が欲しいと思っており、性差はみられなかった。性別役割分業については男女とも否定的であり、男女共同参画の概念が浸透しつつあると考えられる。さらに、結婚、出産後、また、子供が大きくなったら仕事を再開することについては男女とも肯定的で、女子にその傾向が強かった。性差と母性意識との関連については、男子の方が女子より伝統的な母親役割を肯定していた。また、女子は、妊娠・出産・育児が女子の自己実現につながるという項目に対して否定的な答えが多かった。また、母性理念尺度27項目のうち18項目は男女とも30%以上が「どちらとも思わない」と回答していることから、母性理念尺度からみた高校生の母性意識の形成は準備段階にあることが示唆された。
著者
三谷 明美 田中 和子 浦山 晶美 佐世 正勝 田中 マキ子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学学術情報 (ISSN:18826393)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.135-142, 2016-03-31

The intake of folic acid by women who are able to produce children has been encouraged by the Ministry of Health, Labor and Welfare since 2000. However, there is no trend of decrease of neural tube defects (hereafter referred as to "NTD") related to the folic acid intake in Japan. Therefore, it cannot be said that the importance of the intake of folic acid is fully known by them. Therefore, a questionnaire was implemented with 300 mothers nurturing their preschool-aged children about the awareness of folic acid. As a result, 68.7% of them knew that folic acid is a kind of vitamin, 69.3% of them knew its effect of preventing congenital abnormalities, and 64.0% of them knew that, in order to prevent congenital abnormalities, it is necessary to have an intake of folic acid before pregnancy. Of the women who partook in this study, 72.3% had taken a folic acid supplement in the past, and 58% of them had reported to have obtained information of folic acid. Therefore, they all had a good understanding of folic acid. However, only 24.7% of them knew that it can be better absorbed by the body in supplement form. Therefore, it cannot be said that they were well enough informed of the characteristic of its absorption by the body and the significance of taking it in supplement form; so it was suggested that they should be provided with the necessary information.2000年より厚生労働省により妊娠可能女性への葉酸摂取が推奨されている。しかしながら葉酸摂取の有無と関係する我が国の神経管閉鎖障害(NTD;Neural Tube Defects、以下NTDと略す)発症率に減少傾向はみられず、十分に認知されているとはいえない状況である。そこで未就学児を養育している母親300名に葉酸に関する認知について調査を行った。葉酸がビタミンの一種であることを知っている人は68.7%であった。また、先天奇形の予防効果を知っていた人は69.3%であった。奇形予防のためには妊娠前から葉酸を服用する必要があることを知っていたのは64.0%であった。過去に葉酸サプリメント摂取の経験がある人も72.3%いた。また、葉酸の情報の入手したことがある母親は58%であり、葉酸の認知度は高いといえる。しかし、食品で摂取するより、サプリメントの方が吸収率が良いことを知っていた人は24.7%であった。したがって、葉酸の吸収の特性やサプリメントとしての摂取することの意義などの知識は十分であるとはいえず、情報提供の必要性が示唆された。